歯周病（※）は、主に歯ぐきなど歯の周囲の組織に細菌が感染して炎症を起こす病気で、日本人の約８割が罹患していると言われています。進行すれば徐々に歯の周囲を支える組織が破壊され、歯ぐきがやせたり、出血しやすくなります。放っておけば、やがて歯を失うことに。歯周病はむし歯と合わせ、日本人が歯を失う二大原因になっています。
歯周病は口の中だけではなく、心臓病や糖尿病などの全身疾患にも悪影響を及ぼすと言われています。自覚症状のないまま進行し、取り返しのつかない状態に陥ってしまう危険も。
健やかな生活を送るためにも、日ごろから歯周病ケアは大切です。
（※歯周病：歯肉炎と歯槽膿漏を併せた病名）

歯周病の原因菌は歯垢の中で増殖する

歯周病の原因菌は、おもに歯と歯肉のすき間にたまった歯垢（プラーク）の中で繁殖します。健康な状態では、だ液の中に含まれる「リゾチーム」という酵素が、消炎・止血、溶菌作用により、口内の雑菌の繁殖を抑える働きをしています。しかし、歯みがき不足から起こる雑菌の増殖や、加齢によるだ液の減少など、さまざま原因による口内環境の変化から、雑菌の繁殖を抑えられなくなり、炎症を起こしてしまいます。